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ノスタルジックな写真と、看護の話

准看護学生キロク~好きな看護援助は何ですか~

 

「好きな看護援助は何ですか?」

 

准看護学校で、初めての受け持ち実習を行った病棟の指導者さんに言われた言葉です。

 

確か初日で、ガッチガチに緊張している中で自己紹介が始まって…。

「名前」と「一言」、とは言っても、一言は「頑張ります」になるだろうからって、

タイトルにもある質問が振られました。

 

学生4人グループだったのだけれど、

全員、「……(ポカーン)」という状態でした。

 

その時は、

看護技術があまりに未熟で、自信もなくて、

援助を通して、どんなふうに患者さんに影響があるのか、どんな反応をもらえるのか、

そういった実際の経験というか手ごたえをもっていなくて、どうにもこうにも言う術がなかったんだと、今は思います。

むしろ、

必死に技術を練習して身につけているだけで、好きかどうかなんて考える余裕もなかった…。

 

初めて受け持った患者さんには、たくさんの援助を必要とされていました。

入浴が難しかったので、洗髪や足浴、手浴をどんどんさせてもらえました。

 

4週間の実習が終わるとき、

なぜかその質問をノートにメモしていたので(初めての実習、なんでもかんでもメモしていました(笑))、心で振り返ってみました。

 

その時の答えは、手浴。

あったかい手で、ご家族と触れ合っておられる様子が印象的だったからです。

言葉で伝えることが難しい患者さんご本人の気持ちを、ご家族が「きれいにしてくれてありがとう」と、伝えてくださったのも忘れられません。

私自身も、「きれいになるように」「あったかくなるように」「動きますように」と気持ちを込めて援助して、それが患者さんの反応となって返ってきたことが嬉しく、手ごたえを実際に感じることができた、ということも影響したんじゃないかなと思います。

 

 

そういった経験をさせてもらいながら、看護師にさせてもらっていくのだなと思います。

患者さんに合った目的、根拠、方法を考えて考えて……、

そして、自分自身の想いと患者さんのニーズが融合したような感覚を得られる援助。

そういったものが、「好きな援助」になっていくのかなって思います。

 

 

好きな看護援助はありますか?