小さく切り取る毎日

介護の仕事のことや准看護学校の生活のこと、旅、気になったことなど

二十歳のころ

今週のお題「20歳」

 

それは大学二年生のころ、グループホームの夜勤バイトを、介護の仕事を始めた頃だった。

始めてすぐにある利用者の死に直面して、なんかこんな私でも人の最後に関わってしまった、という強烈に新しい価値観にもんもんとし、介護の仕事にに取り憑かれたように関わっていった時期。

大学に入ったのはそれを勉強するためではなかった。いろんな周りの人には、「若いのにえらいねー、でも、仕事にするのは…」というのがお決まりの降りかかる言葉だった。

だから、悩んだ。ちょっとミーハーな自分にとって、また、祖母の認知症でのよくない記憶があったから、正直、介護の仕事は将来やらないだろうなとずっど頭の片隅でイシキしてきたからだ。

 

そんなとき、ちょうどなにかの長期休みで実家に帰省していた時、父親がふと「こんなのあるぞ」と渡してくれた本。

 

「二十歳のころ」立花ゼミ。

 

立花隆のゼミ生たちが著名人や身近な人の「二十歳のころ」についてインタビューをしまとめられた本である。アポを取るところから、インタビューをし聴く、書く、学生たちの気持ちも共感できる部分があったのは同じ立場としてもちろん、インタビューされている人たちの意外な二十歳のころのエピソードがおもしろくて、本の最後まで一気に読み進めたのをよく覚えている。

決して人生はひとつの道だけではない。いろんな人が、いろんな道を経て今を生きているんだな、と思ったら、少し気持ちが楽になった。それに、かつてこれはやらないだろうなと思っていたことを今やっている、逆にこうなりたいと思っていても、上手くいかなかったということもあることを知った。

そして、みんな二十歳のころがあって、漠然と将来のことを思い描いたり、悩んだりしてたんだって。私だけじゃないって思えたことがなんとなく嬉しかった。

 

そのあと、その本をきっかけに、あんまり喋らない父親に二十歳のころについて質問をしてみた。なんで今の仕事をしているのかなんて、聞いたこともないし興味もないことだった。

だが、血のつながる者として、自分のルーツを聴くことは興奮と感動といろんな感情が湧き上がってくるようなものであった。

きっとその興奮と感動が、広義の自分のルーツに当てはまる高齢者との関わりにおいても得られるから、介護の仕事を選び、続けている今の自分があるような気がしてならない。

 

絶妙なタイミングでの本との出会いと、父親に感謝。

 

私の二十歳のころ、未来がどんどん待ち遠しくなったころ。